股関節の痛み
股関節の痛みについて
股関節の痛みは、原因や病期により症状と治療は異なります。放置すると可動域制限や歩行障害が長引くことがあり、早めの受診をおすすめします。
当院では診察と画像検査で原因を見極め、物理療法や運動療法、薬物療法を適切に組み合わせて、痛みの軽減と機能回復を目指します。
代表的な疾患
- 変形性股関節症
- 大腿骨頭壊死症
- 股関節インピンジメント症候群(FAI:大腿骨寛骨臼インピンジメント)
- 関節リウマチ
- 梨状筋症候群
- 股関節関節唇損傷
- ペルテス病
- 大腿骨頭すべり症
- 鼠径部痛症候群

変形性股関節症
変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減り、骨同士が直接接触することで痛みや炎症が生じる疾患です。股関節は体重を支える重要な関節であるため、加齢や長年の負担によって軟骨が摩耗しやすくなります。日本では特に女性に多く、先天性股関節脱臼や発育性股関節形成不全(股関節の発育不良)が基礎疾患となることが多いです。また、肥満や運動の過剰負荷、関節の外傷もリスク要因となります。進行すると関節が変形し、歩行や日常生活に大きな支障をきたします。
主な症状
- 股関節の痛み(初期は動作時に痛み、進行すると安静時にも痛む)
- 股関節のこわばりや可動域の制限(足を広げたり、曲げたりする動作が困難)
- 歩行時の跛行(足を引きずるような歩き方)
- 重症例では、関節の変形が進行し、日常生活に支障をきたす
大腿骨頭壊死症
大腿骨頭壊死症は、大腿骨頭(股関節の骨の丸い部分)への血流が途絶えることで、骨が壊死(死んでしまう)する疾患です。壊死が進行すると骨が変形し、関節の機能が低下します。原因ははっきりしない場合もありますが、ステロイド薬の長期使用やアルコールの多量摂取がリスク要因とされています。特に中高年の男性に多く見られます。早期に治療を行わないと、関節の破壊が進み、変形性股関節症に移行することがあります。診断にはX線のほかにMRIが必要となることがほとんどです。
主な症状
- 股関節の痛み(特に歩行や立ち上がり時に強くなる)
- 痛みが突然現れることが多い
- 症状が進行すると、関節の変形や可動域の制限が生じる
股関節インピンジメント症候群(FAI:大腿骨寛骨臼インピンジメント)
股関節インピンジメント症候群は、股関節の骨の形状異常により、股関節が動く際に骨同士がぶつかり、痛みや軟骨の損傷を引き起こす疾患です。股関節の形状異常は先天性の場合もありますが、スポーツや股関節を頻繁に使う動作を繰り返すことで発症することもあります。特に若年層やスポーツ選手に多く見られます。放置すると軟骨の損傷が進行し、変形性股関節症に移行する可能性があります。
主な症状
- 股関節の前面や側面の痛み(特に股関節を曲げたり、内側にひねる動作で痛む)
- 長時間の座位や運動で痛みが悪化
- 股関節の可動域が制限される
関節リウマチ
関節リウマチは、免疫系が自己の関節を攻撃する自己免疫疾患で、全身の関節に炎症を引き起こします。股関節も影響を受けることがあり、慢性的な痛みや関節の破壊が進行します。関節リウマチは女性に多く、30~50代での発症が一般的です。股関節の痛みだけでなく、他の関節(手指、膝など)にも症状が現れることが特徴です。
主な症状
- 股関節の痛みや腫れ
- 朝のこわばり(関節を動かしにくい感覚)が1時間以上続く
- 症状が進行すると、股関節の変形や可動域の制限が生じる
- 他の関節(手指、膝など)にも症状が現れる
梨状筋症候群
梨状筋症候群は、股関節の近くにある梨状筋という筋肉が坐骨神経を圧迫することで、股関節やお尻、太ももに痛みやしびれを引き起こす疾患です。長時間の座位や運動、筋肉の過緊張が原因となります。坐骨神経痛の原因の一つとされ、股関節の痛みだけでなく下肢に放散する症状が特徴です。
主な症状
- お尻から股関節、太ももにかけての痛みやしびれ
- 長時間座ると痛みが悪化
- 歩行や立ち上がり時に痛みが強くなる
股関節関節唇損傷
関節には、「関節唇(かんせつしん)」という軟骨のような柔らかい組織があり、関節のふちを取り囲んでいます。関節唇の役割は、関節を安定させる、衝撃を吸収する、骨同士のすべりをスムーズにする、といった重要なものです。
この関節唇に傷がついたり、裂けたりしてしまう状態を「股関節関節唇損傷」と呼びます。
主な症状
- 関節の痛み(特に足の付け根やお尻のあたり)
- 歩いたときや運動中の違和感
- クリック音や引っかかるような感覚
- 長時間座っていると痛みが出ることもあり
- 痛みは徐々に強くなる場合もあれば、スポーツ中のケガやひねり動作で突然起こることもあり
ペルテス病
子どもの股関節に起こる病気です。特に3歳~10歳くらいの男の子に多く見られます。股関節の骨の中で、太ももの骨(大腿骨)の先端にある骨頭という丸い部分に血が通いにくくなり、一時的に骨が弱くなってしまうのがこの病気です。エコー、X線、MRIでの診断が必要になります。
主な症状
- 足をひきずって歩く
- 股関節や膝の痛み(膝が痛いと感じる子も多いです)
- 運動を嫌がる、遊びたがらない
- 股関節の動きが悪くなる
- 最初は軽い症状から始まるため、気づかれにくいこともあります。
大腿骨頭すべり症
太ももの骨(大腿骨)の先端にある「骨頭」という部分が、少しずれて(すべって)しまう病気です。成長期の子どもに起こりやすく、特に10歳〜15歳くらいの男の子に多く見られます。成長期には、大腿骨の骨頭(股関節の丸い部分)とその下の骨のつなぎ目(成長板=せいちょうばん)が弱くなっていて、体重の負荷やスポーツ、肥満などの影響で、骨頭が徐々にずれたり急にすべったりすることがあります。ただし、特別なケガがなくても自然に起こる場合もあります。
主な症状
- 足をひきずって歩く
- 股関節・太もも・ひざの痛み
- 歩くときに体が傾く
- 股関節がうまく動かない、開きにくい
※ ひざが痛いと訴えて受診し、実は股関節の病気だったというケースも多くあります。
鼠径部痛症候群
足のつけ根(股関節周辺)に起こる慢性的な痛みのことです。特にスポーツをする人(サッカー選手など)に多く見られます。いろいろな組織(筋肉・腱・関節・神経など)が関係していて、原因が一つに特定できないことが多いのが特徴です。
主な症状
- 足のつけ根(そけい部)のうずくような痛み
- キック・ダッシュ・方向転換などで悪化
- 最初は運動中だけ → 進行すると日常生活でも痛み
- 完全に休むと少し楽になるが、再開すると再発しやすい
- 痛む場所がはっきりしない、左右に移ることもある
アクセス・診療時間
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